現代の経営①〜マネジメントの本質〜
ドラッカーの代表的著作である「現代の経営」
さて、ドラッカーはマネジメントに関して次のように指摘している。
「マネジメントとは何か、何をするものか」とう問いに対する答えは、事業、経営管理者、人と仕事のそれぞれをマネジメントする目的の機関であるという答えしかない。
これを見ても、わかるとおりドラッカーはマネジメントにおいての要素の2つに人的資源に関する指摘を行っている。それだけに、氏は人的資源に重要性を置いているように思われる。
現に、氏は次のように指摘している。
われわれが利用できる資源の中で、成長と発展を期待できるものは人間だけである。
この意見には僕も賛成している。やっぱり何かを行うにあたって人間の協力は不可欠だからです。
また、氏はマネジメントの4つ目の要素として時間をあげている。
マネジメントはつねに、現在と未来という二つの時間を考える。
長期的名利益、さらには企業の存続を犠牲にして、目前の利益を得ても成果をあげたことにはならない。
また逆に、壮大な未来のために今年災厄をまねくようなり好くを冒す意思決定は無責任である。
これは短期的・長期的意思決定の大切さを示した言葉だと思う。
ドラッカーは本章で新しい技術に関する見解も述べている。
技術の変化は、人間の労働を余剰になどしない。逆に、高度の教育を受けた高度の技能を持つ膨大な数の人たちを必要とする。頭をつかって考え、計画を立てる経営管理者や、新しい機械を設計し、生産し、維持管理し、操作する技術者を必要とする。
これについては、現在の情報システムに関しても同様な事がいえるんだと思う。ERPなどの新たなシステムが出来てもそれを使える人材が必要だし、それらからアウトプットするされる情報を解釈して意思決定する人間が必要なんだと思う。
マネジメントをする人間の必要性はなくならないというのはこういった意味で確かに頷ける。
オートメーションという新しい技術の時代においては、中央の計画によって経済を運営すべく、自立した企業の自由なマネジメントをなくそうと試みる社会は、すべて滅びる。責任と意思決定の権限をトップに集中しようと試みる企業も、同じ運命をたどる。
現場レベルでのマネジメント能力のある人材の必要性を説いています。
事業部性、カンパニー性などはここから生まれてきたんでしょう。
例えば、大企業の場合は全社的方向性をトップが行い、日々の事業の意思決定は事業部長或いはカンパニー社長が行う事が重要である。
でもやっぱり、事業部同士でのやっていることの重複性の解消や相乗効果を発揮するためには本社機能からの働きかけも重要になっていくのではないでしょうか。
さて、次では事業のマネジメントの章を読んでまとめて行きたいと思う。